2013.03.24 Sunday

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    2010.11.24 Wednesday

    やわらかい感じ

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      松本和将のMirai~若きマエストロたち~
      未来の巨匠達のコンピレーションアルバム

      若いがとても実力のあるアーティストの演奏を集めた企画です。
      ギターの村治佳織はもとより、大萩康司(ギター)、仲道郁代と仲道佑子姉妹による仲道デュオ(ピアノ)等は、すでに多くのアルバムが発売されており、若いですがその実力は折り紙つきです。
      北京生まれのチョウ・チン(チェロ)の「鳥の歌(カタロニア民謡)」が秀逸でした。悲しみを湛えながらも深くて味わいのある音色と表現力を持っています。まだ20代ですが、その円熟した演奏は「未来の巨匠」の彷彿とするものでした。
      松本和将(ピアノ)のショパン「バラード1番」はスケールの大きいダイナミックな演奏で感心しました。聴衆を引き込ませるそのピアノは、生のステージを聴きたいと思わせる物ですね。勉強不足ではじめてこのCDで知ったわけですが、将来が本当に楽しみです。
      その昔、二胡のジャン・ジェンホワの演奏を聴いて、小澤征爾が感動の涙を流したという逸話がありますが、加古隆の名曲「黄昏のワルツ」に内在する悲しみは「二胡」の音色により一層深まったように感じます。
      ピアソラ「リベルタンゴ」のような新しいジャンルへの挑戦は、聴いていて気持ちがよかったですね。バンドネオンとの競演は、世界の音楽に国境はない、というのを感じる演奏でした。
      私のように50代ともなると、時々若い方達に「輝かしい未来があなた方の前に広がっている」というセリフを口にします。本音でもあり、無責任でもありますね。実際は、過去のいろいろと努力した積み重ねがあって初めて「輝かしい未来」が広がるわけです。その1里塚(マイルストーン)の演奏集とも言えるでしょう。
      このCDに収録された若いアーティストが本当に世界の巨匠として羽ばたくには、より一層の高みへむけて更なる精進が必要でしょう。でもその可能性は「限りなく大きい」と、演奏を聴いて感じました。

      素敵な音がいっぱい。

      クラシックが特に好きというわけではないのですが、村治佳織さんのギターが好きだったので、買ってしまいました。
      今まで、佳織さんのギターしか聴いたことがなかったのですが、大萩さんたちの演奏も聴けてよかった。
      同じ楽器の演奏でも弾く人の個性が出てて興味深かったです。あらためて、ギターって素敵!って思いました。
      それにしても、若手演奏家のみなさん、これほどのすばらしい演奏ができるようになるまでに、どれほどの努力を
      されたことか。
      クラシックギターをはじめて2年目の私ですが、もうちょっと真面目に練習しないと楽器に申し訳ないと思いました。

      やわらかい感じ。

      大萩さん目当てで買ったCDでしたが、予想以上にバランスのいいCDでした。
      クラシックだけれどそう重いものが聴きたくないときや夜ひとりで浸る時にお奨めです。
      ギターもいいし、二胡やフルートなどバラエティに富んだ楽器と耳に馴染みやすいどこかで聴いた曲のオンパレードでとても良いです。
      プレゼントとしても最適。
      演奏なんて若い、ベテランなんて関係ないと思います。

      Mirai~若きマエストロたち~


      2010.11.23 Tuesday

      エヴァとクラッシックの協奏曲

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        バッハのエヴァンゲリオン・クラシック4 バッハ
        貴重なアンドレ・ナヴァラの無伴奏チェロ組曲

        現在は廃盤で入手困難な、アンドレ・ナヴァラの演奏するバッハ無伴奏チェロ組曲を、第1番のみとはいえ、聴くことのできるたいへん貴重な一枚。
        エヴァンゲリオンのファンのみならず、クラシックファンにとっても、買って損はしない逸品。

        エヴァンゲリオン・クラシック

        シンジが弾いていた無伴奏チェロ組曲を、フルサイズで聴きたくて買いました!他にも耳にした事がある曲が入っていて、買って良かったです☆
        収録時間も約1時間収録されており、値段もお手頃なので買って損はないかと。


        エヴァとクラッシックの協奏曲

        アニメのサントラで、これほどクラッシックの名曲を数多く、使ったものはないのではないか?劇中の曲の使い方もカッコよく使われていて、アニメにクラッシックと言う、異色のコラボレーションはまったく感じない。
        まさしく、エヴァとクラシックの協奏曲のようである。

        とにかく、かっこいいの一言です。クラッシックの好きな方にもオススメです。

        エヴァンゲリオン・クラシック4 バッハ:管弦楽組曲第3番「アリア」他


        2010.11.20 Saturday

        現代音楽が苦手な人もどうぞ

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          黛敏郎のノーヴェンバー・ステップス
          日本的なるものの美しさ

          クラシック音楽という西洋の音楽を学び、継承した日本人作曲家にとって、唯一無二となるアイデンティティを日本的なるものに見出したのは理解できますし、世界へ発信できる存在の音楽を創り出すのに伝統的な日本のメロディの借用もまた当然でしょう。

          武満徹の「ノヴェンバー・ステップス‐琵琶,尺八,オーケストラのための」は、その名声ほど演奏されないのは、難解だという点と奏者の問題だと思います。この録音では、初演以来、世界で演奏してきた琵琶奏者の鶴田錦史と尺八の名手横山勝也の2人ですから、この曲の演奏にはなくてはならない2人です。武満徹の静寂、そして「間」、西洋の手法とは真逆な手法が今も新鮮です。

          黛敏朗のバレエ音楽「舞楽」もまた笙、篳篥、龍笛、鼓という雅楽の世界をオーケストラで再生したものです。西洋の記譜では表せない複雑な音程が駆使され、「日本的なる音楽」の追求した成果がここに表れています。好みがあるでしょうが、独特の音楽世界は他にありません。

          小山清茂「管弦楽のための木挽歌」は、日本的な旋律や民謡のエッセンスを違和感なくオーケストラに取り入れた楽曲ですし、成功した作品だと思います。日本のお囃子である笛、太鼓がそのまま取り入れてあり、加工し、西洋音楽との融合を果たしています。

          外山雄三「管弦楽のためのラプソディ」は、日本のオーケストラが海外で演奏旅行をする時のレパートリーとして有名です。血沸き肉踊るようなエキサイティングな音楽が次から次へと繰り出されます。日本の音楽の陰陽の内、陽の側面を強調した楽曲です。

          若杉弘と東京都交響楽団、岩城宏之とNHK交響楽団、尾高忠明と読売日本交響楽団による演奏です。どれも素晴らしい演奏だと思いました。

          現代音楽が苦手な人もどうぞ

          古い録音ですが、それだけに好演奏が収録されています。
          無難な一枚と言ったところ。
          現代曲になじみの無い方は、このアルバムを最後から逆に聞いて見て下さい。きっと、現代音楽も悪くないなぁと思うはず。
          「管弦楽のためのラプソディ」は何も考えずにただ楽しんで下さい。
          「木挽歌」の作者の小山氏は民族派と言われています。
          ゴジラの音楽でおなじみの伊福部昭氏を真面目にした感じ。
          「舞楽」、「ノヴェンバー・ステップス」と続くうちに、ほら、現代曲も悪くないでしょ。
          気に入ったら、黛派は「曼荼羅交響曲」、武満派は「鳥は星形の庭に降りる」も聞いてみて下さい。


          ノーヴェンバー・ステップス~日本の管弦楽名曲集
          2010.11.15 Monday

          最初は理解できなかった

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            村治佳織のTransformations
            孤独な響き

            聴いていると人間は一人なんだなぁと感じるのです。
            やっぱり誰かと一緒にいたいような気分になってしまう。
            とても内省的な孤独な響きがこのアルバムからはあふれて来ます。
            ジャケットの笑顔からは想像もつかない大人でアンニュイな世界を感じる一枚です。

            最初は理解できなかった

            デビュー以来一貫してクラッシック路線を歩みロドリーゴという王道を歩んできたのにレーベル移籍直後の路線変更と採れる選曲の変化に当初違和感を覚えました。
            イギリスのレーベルだから極東の美形のギタリストを色物扱いでEU圏売り込んでやろうかとでも考えたか?と下らぬ邪推をする程驚きました。

            数年経った今、やっと少し理解できる気がしてきました。
            音を聞き比べると他の特に「アランフェス協奏曲」あたりとは力の入り具合が違います。良い意味で肩の力が抜けている。
            エレキでロックとまで行かなくとも「ギターって色々な声が出せるんだよ?」って語りかけているような気がします。

            コンサートを拝見した際にもその指の動きや躍動感に驚異を感じましたが、本作の21曲目、STINGのFRAGILE。とても大好きな曲なのですが、ギターだけで何の違和感もなくカヴァーにありがちなガッカリ感が無い。
            歌なしと考えればこれは凄いこと。
            発売後何年も掛かってやっと良さが分かってきた気がします。

            自分色のギターの音色

            南欧の香り強い彼女から
            いきなり武満徹やスタンダードとは驚くが、
            自分の色に染め上げてきているところは
            さすがと云う他ない。

            クラシックギターという狭い領域や
            恵まれたルックスだけが見所ではないことを
            存分に見せつけている。

            Transformations

            2010.11.14 Sunday

            豪華アーティストの競演

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              加古隆のイマージュ 7
              イマージュも限界ですか ^^;

              どの曲もとっても小ぶりですねぇ? ただ色んな曲が羅列しているだけに感じます。 癒しを感じる事が出来ません。 ついにイマージュも7作となって限界かと考えざる得ないです。
              癒しの雰囲気を感じたい方は今回はスルーした方が良いと思います。
               何も感じない・・・・・ 残念です!  ^^;

                

              構成がきちんとしているオムニバス

              この「イマージュ」は、けっこう当たり外れがあったが、
              これは「当たり」である。
              葉加瀬太郎のバイオリンを受けて、元ちとせに入り……
              というのも意外性があるがスムーズだ。全体の流れも無理がない。
              いくらいい曲、聴き馴染みのある曲でも、前後の曲とのバランスがとれてないと
              妙に浮いてしまうものだ。
              このアルバムにはそれが非常に少ない。

              もちろん聴いて感動するというものではなく、環境音楽的に聴くものだが、
              だからこそ、ずっと流していても違和感のない構成が重要になる。
              人それぞれ、じんとくる曲は違うだろうが、アルバムなのだから、
              一曲だけ感動してもあまり意味はないだろう。
              すべてにまんべんなく「心地よさ」を覚える――ここが大事だと思う。
              私は仕事をしながらCDを流しているが、
              最近はつい、こればかりになる。飽きの来ないアルバムだ。


              豪華アーティストの競演

              全体的に曲調が統一されていて心地良いアルバム。今までCD化されていなかった,#16.坂本龍一+宮本文昭の「Dawn of Main -ending theme」を聞くだけでも買う価値がある秀逸盤。

              イマージュ 7
              2010.11.08 Monday

              コーヒーでも飲みながら

              0
                古澤巌のヴァイオリンの夜

                何よりもまず1曲目!

                古澤さんらしいはっきりした、重みのある、でも嫌味のない響き。クラシックの殻を抜け出した「ショーロ・インディゴ」が何よりもオススメです。自分で出そうとしても、なかなかこの音が出せない。アレンジのツィンバロン(?)の音も素晴らしい。一つのバイオリン・コンサートとして、はじめから最後まで、ソファーにゆっくり座って(コーヒーでも飲みながら)聴くことをオススメします。

                おもいで

                 CMでショーロ・インディゴが流れてきて、えらく竹中直人に
                似たおっちゃんが、かっこよくヴァイオリンを弾いているもの
                で、思わず調べてこのアルバムを購入。1995年頃の高校生
                だったときのことです。

                 かってよかった。聴いたことはあってもタイトルがわからな
                かった、古今の名曲が収録されています。もともと、スペイン
                等で活動されていたようだが、この頃は国内での注目も高まり、
                NHKの番組でもスポットを当てられていたと思う。本場のジプ
                シー達に絶賛されるほどのジプシー魂を持つ彼の演奏力は本物
                である。

                 クラシックとは違う音楽で、軽音楽的なアレンジが施されて
                いるのですが、彼の実力というか表現力は充分に伝わってきま
                した。

                 結果、その年末に彼が熊本県立劇場でコンサートを開催。も
                ちろん行きました。学生の当日券ねらって生きました。楽屋に
                も行きました。まだサイン持っています。あの時は弦楽四重奏
                だったのですが、ほんとにかっこよかった。

                アレンジがダサすぎ

                ヴァイオリンの音色がとてもよく、歌い方も素敵なのに、伴奏やらアレンジやらがダサすぎです。クラシックとは言えないアルバムですが、クラシックをポップにアレンジしたようなものが好きな方にはいいのかも。ちなみは私はバリバリ・クラシックが好きなものですから・・・。

                ヴァイオリンの夜

                2010.11.06 Saturday

                透明感あふるる

                0
                  フジ子・ヘミングの奇跡のカンパネラ(K2HD)
                  常識では理解できないようなカンパネラ

                  『奇蹟のカンパネラ』という宣伝の通りの『ラ・カンパネラ』でした。
                  大辞林では『奇蹟』の意味を『常識では理解できないような出来事』と示しています。
                  正しくその言葉の意味の通りで、音楽の常識からでは理解できないような『ラ・カンパネラ』だと思います。

                  感情に訴えかけるために様々なアプローチをしているようですが、音楽的には余り好ましくない部分が多いように思います。
                  フジ子・ヘミング女史には申し訳ありませんが、私には良さが理解できませんでした。
                  また、余りにも常識離れしすぎた演奏だったためか、それとも私の頭が固いだけなのかは分かりませんが、音楽論的に正しいとは思えませんでした。

                  感情だけで演奏するのではなく、譜面に記載される正しい速度(「ラ・カンパネラ」であれば「Allegretto」)で演奏することも必要だと皆様は思いませんか?
                  リストは、この曲が本来持つ素晴らしさを最大限伝えられるよう、大切に大切に思いをこめて譜面を完成させたはずです。
                  その思いを勝手に捻じ曲げて解釈しては、いけないような気がするのです。

                  最後に、他のピアニスト(「小山実稚恵」さんや「ユンディ・リ」さんなど)の『ラ・カンパネラ』も聴いてみてください。
                  そうすれば、私の示した意味が大なり小なり分かるかもしれません。

                  私のレビューを最後までお読みくださり、ありがとうございました。

                  透明感あふるる

                  ピアノの魔術師といわれるリストの曲も、技術を見せびらかすといった感じがなく、聞いてて落ち着きました。また、すごく音が透き通っていて、さらさらと流れる川の水の音、またしずくのような音に感じました。
                  心の奥深くで音楽が共鳴する、そんな音楽だと思いました。

                  奇跡のカンパネラ(K2HD)
                  2010.11.06 Saturday

                  広がりのある空間表現!

                  0
                    NAOTOのイマージュ 6 six

                    話題性だけのものではないと感じます。

                    Live image6のツアーも終わり、そろそろレビューを書いてもいいかなと思いました。

                    image1から聴いているわたしの意見としてはたまたま「話題性のあるもの」が重なっ
                    たものだと思います。「話題性」を外した個々の曲として聴いてみてください。また、
                    演奏者の方々の大半がいつもimageシリーズでおなじみの方々ですし、古澤氏も過去
                    image1でアサド兄弟と共演しています。カルロス・ヌニェス氏もゲド戦記に関わった
                    からではなく、前回のimage5から素敵な演奏を披露しています(^-^)

                    広がりのある空間表現!

                    私はイマージュを初回から所有して聴き続けています。
                    今回のイマージュは全体的に音の響きによって空間表現されている曲で構成させています。ミニコンポ等で聴いている方には表現されている空間が現われないと感じます。音の奥深さなど非常に難しい面が有ります。是非良質なオーディオをお持ちの方にはお勧めいたします。
                    音楽的にもそれぞれとても聴きやすい音楽ですから、何気ない生活の一部として聴いて頂いても結構と感じます。

                    素直に感じてください

                    全体的な曲目は去年から今年にかけて、支持が多かったり好評があったものばかりで【初めて聴く】という方も、思い出すんじゃないでしょうか。
                    最近は、またクラシックが流行ってきているそうで。嬉しいですね。その延長上での曲もふんだんに入っているので、何だか楽しいですよ。

                    やはりCDや演奏会など・・・、曲目の最初の曲はいずれも肝心で、感情がそこから上がったり下がったりするという重要性を持っています。
                    それをふまえて、出だしはなかなかじゃないでしょうか。フラダンスという優雅で純粋な音色で最初を飾るというのは、なかなか度胸がいるものです。なぜかって?奇抜なイマージュだからですよ(笑)

                    曲を聴いてみて、その聴いたままの感情を頭の中で創造していってみてください。それがイマージュの意であり、演奏者達の望みでもあるでしょうから。

                    イマージュ 6 six<シス>
                    2010.11.06 Saturday

                    クールでスマート、緊密な「スラブ舞曲」/ヴィヴィアン

                    0
                      クリーヴランド管弦楽団のドヴォルザーク スラヴ舞曲集
                      この曲の名盤中の名盤。この演奏こそが、この曲のベスト盤ではないか

                      舞曲集といえば、ドヴォルザークのこの「スラヴ舞曲集」と、ブラームスの「ハンガリー舞曲集」にとどめをさすが、「ハンガリー舞曲集」が、後半の第3集以降が退屈で、抜粋盤があれば十分と感じるのに対し、この「スラヴ舞曲集」は、後半の第2集も一定の水準を維持しており、全曲盤としては、明らかにこの「スラヴ舞曲集」の方が聴き応えがある。 

                      また、「ハンガリー舞曲集」の方が、めぼしい全曲盤がアバド指揮ウィーン・フィル盤くらいしかなく、ほぼこれで決まりという感じなのに対し、この「スラヴ舞曲集」の方は、いわゆるお国物指揮者を中心に、結構、全曲盤の数も多く、選択肢の幅が広いのも特徴だ。

                      セルとドヴォルザークの相性の良さは、私も交響曲第7番と第8番で確認済なのだが、昔から名盤中の名盤として知られているこの舞曲集でも、この曲のベスト盤といわれているクーベリック指揮バイエルン放送響盤よりも、明らかに出来が良いと感じた。 

                      セルは、ゆったりとしたテンポを基調に置いているだけに、クーベリックよりも緩急の描き分けが一層大きくなっており、音の強弱の幅、表情付けも大きい。こうした特徴が一つの曲の中で絶妙にブレンドされており、優美さと、スラヴ舞曲特有の激しく軽快に躍動するリズム感を兼ね備えた、スケールの大きい素晴らしい名演となっているのだ。 

                      ちなみに、私は、クーベリック盤は、2007年2月発売の最新盤ではなく、手持ちの1992年11月発売の旧盤で聴き比べを行っているのだが、クーベリックは、セルよりも5分近く速いテンポを取って、推進力に富んだ軽快な演奏はしているものの、意外に表情がさらっとしているというか淡白で、セルと比べるとスケールも小さいのだ。少なくともこの旧盤で聴く限り、私には、この演奏がこの曲のベスト盤であるとは、にわかには信じ難い。 

                      クールでスマート、緊密な「スラブ舞曲」

                      ドヴォルザークの「スラブ舞曲」管弦楽版。作品46からの8曲と作品72からの8曲をジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団が演奏して収録したディスクである。録音は1963年から65年にかけて5回のセッションで演奏されたもの。機能的なアンサンブルで定評のあるセルとクリーブランド管弦楽団のコンビだが、ここではスラブ的なメロディを時に粘っこく、リズミカルな曲では熱っぽく演奏している。録音のせいか、管楽器にやや色彩感が不足しているが、そのぶん瑞々しい弦楽器の神技に近いテクニックが埋めている。作品46の第3番の終結近くの追い込みや、有名な作品72の第2番(ホ短調)の粘りと独特なルバート、第7番のアンサンブルなど実に素晴らしい。

                      ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集(全16曲)
                      ヴィヴィアンウエストウッドの財布がかわいくて大好き!
                      2010.11.06 Saturday

                      日本におけるサティ浸透の最高の功労者

                      0
                        高橋悠治のサティ ピアノ作品集

                        大学生のころ聴きました

                        高橋先生がサティか…ニワカ丸出し状態で購入、鑑賞。
                        …いいなあ。サティのなんたるかを知っている方の演奏はいい。
                        意外にサティをコンプリートするのは難しいのでは。佳曲があちこちのアルバムに少しずつ収まっていますからね。
                        仕事で疲れているときに聴いています。EMIの「ベスト・オブ・サティ」もいいですが、これもなかなか。

                        高橋悠治のサティ

                        デジタル録音の先駆者日本コロムビアがかってアナログディスクで出していた演奏で、 1976 年の録音ながらデジタル録音( PCM 録音)。
                        “このディスクにはところによりピアニシモの部分に微少なノイズがありますが、 1970 年代のデジタル録音のためオリジナル・テープにあるものです。ご了承ください。”との表記があるが、気にするほどのことはない。
                        いかにも高橋悠治らしいサティだ。
                        “ジュ・トゥ・ヴ”など、もっとロマンチックに演奏されることが多いと思うが、高橋悠治は心地よいぶっきらぼうさで弾き切っている。
                        私は非常に良いと思うが、ロマンチックな抑揚や瞑想的な癒しを求める人には合わないだろう。

                        日本におけるサティ浸透の最高の功労者

                        エリック・サティ(1866〜1925)が現在のようにコマーシャルにまで多く用いられ、生活に浸透して行った『演奏者』としての最高の功労者はと言えば日本ではあまり評価が高いとは思われないアルド・チッコリーニだろうし、日本における最大の功労者は間違いなく高橋悠治・アキ兄妹だろう。
                        1980年2月、ニューヨーク州立大学バッファロー校に付属していたセンター・オブ・ザ・クリエイティブ・アンド・パフォーミング・アーツ(創造的演奏芸術センター)のメンバーであった高橋アキは、このセンターのディレクターであった作曲家モートン・フェルドマンからそこでのリサイタルにメシアン・クセナキスの曲とともにサティの『5つのノクチュルヌ』を所望された。高橋アキは、渋谷にあったジャンジャンで足掛け3年間『エリック・サティ連続演奏会』を行っていてほとんど全曲を日本でおそらく初めて知らしめていたのだ。時にジョン・ケージが大きくエリック・サティに傾倒していて、ケージと30年来の友人であったフェルドマンがサティ*ケージ*高橋アキの3つを繋いだと考えられる。
                        その時兄高橋悠治はサティの音楽をより、音楽論的に作品分析を行っている。
                        例えば最も有名なサティの曲『ジムノペディ第3番』は、メロディーをMとし、前奏・間奏・後奏をLとして小節数を数えると次のような図式になる。
                        L4M9M7M7/L3M10/L2__M6M7/L5
                        かくて主旋律から伴奏和音が予想できず、あらゆる虚飾の剥ぎ取られた純な音が抽出され、音楽が生成されていく。
                        美しいサティの音楽がサロンに埋もれることなく、全曲を漏れなく今この耳に聴けると言う奇跡を起こした人、それが高橋悠治とアキだ。

                        サティ:ピアノ作品集(1)